●鼻 副鼻腔腫瘍
一般的に副鼻腔癌はかなり進行するまで自覚症状を呈しない。従って発見されたときにはステージV、IVの進行癌が多い。
一方鼻腔癌は比較的早期から症状が出やすい。
a)鼻腔癌:
早期に鼻閉、血性鼻漏などの鼻症状を呈する。
篩骨洞に浸潤すると流涙、眼球偏位、内眼角部の腫脹が出現。
b) 副鼻腔癌
@上顎洞癌:
腫瘍の進展方向により症状が異なる。
また腫瘍の進展方向の内眼角から下顎角を結ぶ線を想定(Ohngren 線;Line of malignancy)し、この線より上方の眼窩、 頭蓋底に進展する上方型と、口蓋、歯槽骨に進展する下方に分類する。
 
A篩骨洞癌:
早期に眼窩内側壁を破壊して眼球突出や、流涙、複視などの
眼球運動障害を生じたり、前頭蓋底に浸潤した場合は頭痛等
をきたす。
B前頭洞癌:
非常に稀であるが、初発症状としては、眼球突出、前頭部腫脹
があり、前頭蓋底に浸潤すると頭痛をきたす。
C蝶形骨洞癌:
解剖学的に海綿静脈洞に近接しているため、視神経、外転神経
動眼神経、滑車神経、三叉神経などの脳神経症状を早期からき
たす場合が多い。
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